人の痕跡が途絶えて久しい、
遠い遠い昔の、荒れ果てた遺跡の奥底で
あるとき、一人の少女が目を覚ましました。
彼女は頭の先から足の先まで真っ白な、
どこか浮世離れした、とても可愛らしい少女でした。
彼女は、遠い遠いその昔……
かつて『勇者』と呼ばれていた青年でした。
その『勇者』は『魔王』と結託し、
あろうことか世界と文明を滅ぼし、
甦った世界で、自由に過ごそうと考えました。
これは……幼子の身体となり甦った、『ノート』と名乗る『元・勇者』が、
その容姿と言動で周囲を盛大に振り回しながらも
再生を果たした世界で自由気ままに、好き勝手に生きようとして………
思うようにいかず、やきもきするお話です。