ユーラシア大陸のある国のある村でウィルス感染による疫病が発生した。感染経緯、不明。治療方法、不明。感染者数、不明。このウィルスは人には感染せず、蔦科植物のみに寄生すると思われていたが、気候変動の煽りをうけて生存するために突然変異を遂げ、人に感染するようになった。発症国の保健省は極秘のうちに封じ込めに成功する。
この疫病の症状は感染初期、結膜炎に酷似していた。3ヶ月で完治するがその過程を3回繰り返して、最後の1ヶ月は血の涙を流し続けて死亡する。その死にざまから人はこの疫病を“ red eyes “と呼んだ。
WHOはこの疫病の情報を早い段階で掴んではいたが、事務総長は発症国がWHOに用途を指定しない多額の寄付をしていたため、世界に向けての発表をためらい、協議を重ねている間にこの疫病は収束する。その結果、WHOによる初動調査は行なわれず、世界はこのウィルスの存在を知る機会を逸した。この物語は『国守の愛』、『群青の人』の結末である。要、宗弥、そして富士子の終焉はいかに・・・。
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