「おお、神よ、死んでしまうとは情けない!」
信じることが力になる。そんな世界の聖職者である少年シオンは、神など信じていなかった。
その世界で人間は与えられた役割を全うするために生まれ、ほとんどの人間はあらかじめ決められた人生をなぞるように生きていた。
しかし、シオンは生まれ持った役割に疑問を持っていた。
神に縋り続ける人生を送る自分の存在価値はあるのか、と。
そして、その疑問は年を追うごとに膨れ上がり、来たる十五歳の誕生日にシオンは冒険者になるために寺を飛び出して王都へ向かうことに。
新しい人生の幕開けに感動するシオンだったが、不幸な巡り合わせの子供と邂逅することで陰謀の渦中に放り込まれてしまう。
これは神を信じない少年の、世界を救う自分探しの旅だ。