ー突如日本国内で軍事クーデターを開始した中国共産党支持者による日本人義勇軍、
「国共解放戦線」。
急襲的な攻撃及び各地での一斉蜂起、そして解放軍に呼応する市民のために自衛隊の対応が遅れ、
国際法を無視した破壊活動、虐殺行為も相まって多数の死者と混沌を齎していく。
瓦解しかけた日本政府及び残存の戦闘部隊は南へと追いやられ、滅亡の危機に瀕していた。
九州に追いやられた臨時政府の発行した戦時特例法により、
自衛隊残存兵力と志願兵によって構成された「日本統合軍」が設立。
極秘裏に開発された人型機動兵器「戦機兵」を伴い、
血と泥で染め上げられることになる「日本奪還作戦」が幕を開けた。
ー開戦から数年後、宇部攻防戦の中に「彼女」はいた。
統合軍の中でも「掃討部隊」と畏怖され、また軽蔑された第2師団32特務中隊。
中隊長である篠田里歩は、与えられた任務をこなす傍ら、
自分の「虚憶」を頼りに、義勇軍にいるであろう「仇」の居場所を求め、
「仇」とその所縁の人物たちを次々と拷問・惨殺していく。
それがたとえ自分自身に何の関係のない人間だったとしても、
自身の存在意義を知るため、彼女の「報復」は決して終わらない。