退屈な毎日を寝て過ごす、ミステリ好き中学生男子・松原玲。
クラスで埋没している地味系中学生女子・羽佐間灰音。
ある日、玲はとある秘密を灰音に知られてしまう。
どうか言い触らさないでくれと頼む玲に、灰音はこんな「取引」を持ちかけた。
「私、松原君の彼女になりたいの。そうしてくれたら松原君の隠したいことは一生守るから。これが、私の出す条件」
何故、彼女は突然こんなことを言い出したのか?
真の目的は何なのか?
取引に応じた玲は、やがて幾つもの「日常の謎」に出会い、同時に少女の抱える秘密を解き明かしていくが……。
これはとある少年の恋愛譚。
そして、とある探偵の失敗譚。
所詮ゼロはゼロでしかない────探偵と言えど、知らないことは分からない。