太古の森を守る東の森の魔女マジュカの元に、お供を連れたカチュリナ王国の第一王子グレンがやって来た。
まだ十歳のグレンは、まあまあ可愛らしい顔立ちをしている。
少し位話を聞いてやっても良いかと思ったのも束の間、口を開いた瞬間可愛げのないクソ生意気なガキへと変貌する。
時間の無駄だと判断したマジュカは、無視をして家の中に入って行った。
しかし、諦め切れないグレンは、マジュカを追って家に入って行く。
こうして二人の出会いは始まった。
東の森にグレンが通うようになって、六年の月日が流れた。
子供から大人へと成長したグレンと、ずっとグレンを見守って来たマジュカの関係にも、変化が訪れる。
ある日グレンは、マジュカに城で行われる舞踏会に出て自分と踊って欲しいと頼み事をする。
しかしマジュカは世捨て人の魔女。
それは嫌だとお断りをするのだが、グレンのおねだりには勝てそうにない。
太古の森を守る最強の魔女は、グレンの頼みを断り切れず、連敗記録を更新していくのであった。