【タイトルの意味は最終章に。】
20世紀のロシア。
革命後、未だ混乱の中にあるサンクトペテルブルクで悪事を働き生計をたてる青年、イーヴァン。
「俺は詐欺師だぞ!君を騙すなんて……簡単なんだよ」
悲しい過去により教会の修道院で暮らす黒髪の女性、ハル。
「過去に何があっても。私の中でのあなたはただ優しくて、とてもあたたかい人よ」
惹かれあい、困難を乗り越え結ばれた二人は、身を寄せた異国で幸せに暮らしていた。
しかし突然、ハルが次期国王となるロレンツォ王子の結婚相手に指名されてしまう。
「お前はもう籠の中の鳥だ。ゆっくり可愛がってやる」
孤独に震えるハルを支える王子の側近、マナト。
「こんな暗い所で。一人で泣かないでくれ」
交差する運命と恋心。
最後に幸せになるのは誰か ── 。