とある村では色白で華奢な女が美しいとされていた。
そのため年頃の娘は滅多に日の下に出ない。
そんな中で1人の働き者の娘だけは違っていた。強い日差しの下で、せっせと田植えをしている娘の肌は小麦色に焼け、体はしなやかに引き締まっていた。
娘は村一番の不器量と蔑まれ、許嫁にはひどい扱いをされてしまう。
時同じくして。
とある国の中央では有能な副宰相が、ストレスによりブチ切れていた。
ブラック企業さながらの過重な政務、失恋したばかりの副宰相の間近で行われる王と王妃のいちゃつき。
副宰相はストレスのないスローライフを送ろうと城を飛び出し、とある農村地帯へ向かう。
この話は、政務やその他諸々にぶちキレて飛びだした副宰相と、ひどい失恋をし二度と恋などしないと誓った働き者の娘との恋の物語である。