☆2025.1.24 メディアワークス文庫さまから書籍化しました☆
――良い魔法使いは、わたしのところには来てくれない。
ソフィは幼い頃に両親を亡くし、父の生家である伯爵家に引き取られた。けれど伯爵である叔父とその家族から、使用人以下の酷い扱いを受ける。
16歳になったソフィは、厄介払いされるように王宮の下働きとなる。王宮で最も過酷な仕事を強いられ、醜い火傷痕のせいで同僚からも遠巻きにされるソフィ。
だが宮廷薬師の老婆との出会いがソフィに転機をもたらした。薬草を使った化粧品作り、さらに火傷痕を隠すために必死に習得した化粧の技術が認められ、ソフィは平民の身分でありながら王妃の化粧係に抜擢される。
けれどソフィがどんなに努力しても、顔の火傷痕と叔父一家は、ソフィが幸せになることを許さない。
そんなある日、社交のために隣国である魔法大国から、美貌の王弟ジークベルトが来訪する。数々の浮き名を流しながらも27歳まで独身を貫くジークベルトは、王妃と令嬢達が集う茶会の席で、「この王宮で運命の出会いがある」という先読みの魔法の結果を披露する。
令嬢や女官達が浮き足立つ中、自分には関係のないことだと、一人だけ冷めた気持ちでいるソフィ。
ところが、ジークベルトが「王妃殿下の化粧を担当したのはどなたですか?」と奇妙なことを言い出したことで、ソフィの運命は大きく変わっていく。
顔に醜い火傷痕を抱えながら懸命に生きてきた少女が、美しき魔法使いである隣国の王弟殿下に見出され、幸せへの第一歩を踏み出すシンデレラストーリー。
*序盤はストレス展開が続きますが、ハッピーエンドはお約束します。
*2023年5月に連載していた同タイトルの中編(https://ncode.syosetu.com/n5944if/)を長編化したものです。前日譚及びヒロインとヒーローの絡みを大幅に加筆しています(つまり続編ではありません)。