四つの大国と、その外側に未知の大地が広がる世界「ユグドラシル」。
数多くのスキルを使って開拓していく冒険者たち。
ある日、その全てを嘲笑うかのように、たった一夜で最高位を凌駕するスキル「万魔殿」の一つを手にいれた男がいた。「万魔殿」は全てのスキルを知ることができるというものだった。男はその記録をどこかへ残し、消えた。
辺境の田舎町で育った二人は幼馴染で、ずっとここで穏やかに暮らせればいいと、そう思っていた。
ところがある日、どこか遠くの方で誰かの泣き声が聞こえてきた。
――離れないで。
それは、世界を揺るがす災厄への警鐘だった。
何が言いたいんだ、俺はどこにも行かない――。
その後ろで少しずつ、離れていこうとする手を掴んだ。
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