《勇者》
――それは人類に敵対する魔王を討伐しようと勇気ある人間たちを指す……らしい。
だが、実際はクソだ。
魔王たる俺は人類に敵対などしていない。
むしろ異界から出現するインヴェーダと呼ばれる怪物たちを討伐してやっているのだ。
奴ら人間は、俺たち魔族とインヴェーダを区別しない。
ゆえに、人間はインヴェーダに殺された仲間はすべて魔族にやられたと誤解している。
俺が何度言っても奴らはそれを信じようとしない。
挙句の果てには、俺の話を信じようとする者はすべて魔女扱いされ、処刑される。
だが俺は、そんなクソみたいな勇者や人間ですら殺さないように、戦わなければいけないのだ。
今日も俺は魔王として、人間たちと会話を望み、全くコミュニケ―ションが取れないインヴェーダを討伐している。
これは、魔王たる俺がインヴェーダからこの世界を守りつつ、片手間で勇者を討伐する物語だ。
※現在、第一話から地の文を改良中の為、最新話投稿は全話校正後になります。