三年前に助けた女の子が、白髪の美少女だった。
そのことを知ったのは、彼女――藍沢ひなぎが歌手としてデビューしたときだった。
憧れの歌手の背中を追い歌手になった彼女は、自身の容姿とひたむきな努力を武器に活躍していく。その姿を、柏木飾はメディアを通してなんとなく眺めていた。
「よ、よかったぁ……忘れられていたらどうしようかと思ってたんだ」
三年が経ち、ひさしぶりに再会した彼女は少し大人びていたけれど、あまり変わっていなかった。
心の底から安心して胸を撫でおろすひなぎの姿に、三年前の荒んだ姿を思い返して飾は安堵する。
いや、しかし……なにかが変だった。
……すでに人気者になったひなぎが自分のことを好きみたいなんだけど、どうすればいい?
’24 8/24 タイトル変更。