伯爵令嬢のロレッタは、夜会で婚約者のライナルトに婚約破棄を宣言されてしまった。
婚約自体に思い入れはなかったが、自分の家族や兄嫁までを馬鹿にされたロレッタは、思わずライナルトに飛び蹴りをくらわしてしまう。
実は、今は淑女として振舞っているロレッタだが、昔はお転婆な少女だったのだ。
一方、美しい風貌と素晴らしい剣の腕を持ちながらも、女性を寄せ付けないことから『氷の騎士』と呼ばれる近衛騎士クロヴィスは、今日も夜会の警護の傍ら、とある女性を探し続けていた。
あの元気な少女は、今どんな女性に成長したのだろうか。
その強い視線を巡らせ、今夜も思い出に残る少女との再会を夢見ていると、何やら婚約破棄騒動が始まり――
派手に婚約破棄をされた令嬢が、実はとっくに有望騎士の心(前髪)をガッツリと掴んでいて、幸せになるお話です。
アルファポリス様にも投稿しているものですが、読み切りの短編にしています。