「ちがーーーーーう!!」
とてつもなく、その声はよく響いた。
「私がお慕いしているのはあんたらなんかじゃないの!勘違い野郎ども、消えろ!」
「え!?」
自分たちが選ばれること前提でいた攻略対象たち。
どうしてそんなに自分に自信があるのかしら。顔がいい?だからどうした、そんなこと私には関係ないわ。
これは、恋愛シミュレーションゲーム『マジカル☆トゥインクル』といかいうところの世界、らしい。何だマジカルとかトゥインクルとか。
魔法が当たり前にあり、精霊もいるようなこの世界で、何故だかゲームとやらのヒロインになって(されて)しまった私、エリス。
攻略対象がどうとか、貴女の望んだものなら意のまま手に入るとか、やたら私に得をするよなことばかり言ってこられたし、何かよく分かんない知識が頭の中にドバっと入ってきた。
これを使えば、確かに色々と思うままなのかもしれない。でも、私が本当に欲しいのは……。
攻略対象とかいう王太子殿下、宰相閣下のご子息、ギルドマスター、色々な人が私にあれこれと迫ってくる。そうね、私を手に入れたらどうとか、って唆されたらしいものね、貴方たち。
私は私、誰にも私の気持ちを好きにさせたりなんかしませんとも。
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