S県空の宮市に建つ中高一貫私立女子学園『星花女子学園』へ今年度から編入したアイドル・蜂谷旬は、星花女子学園中等部に理科教師として勤務する小板橋真悠と出会った。人懐っこくよくも悪くも思ったことが口にでる蜂谷は、自分とは対照的に塩対応と周囲から評される小板橋先生に興味を持ち積極的に関わろうとする。しかし小板橋先生と蜂谷は、互いに秘密があって────
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金色の髪が柔らかい橙色の日に透けてその輪郭をとかしている。彼女の名前を呼ぶ自分の声が喉の奥で僅かに絡まったように聞こえた。
目の前の彼女はと言うと、あの相変わらず何を考えているのかは解らない明るい笑顔でこちらを振り返ると「センセ―、んな顔しないでよ」と呆れたような、それでいて少し鬱陶しそうな顔で私を見ている。それにうまく言葉を返せない自分が、少し情けなくも思えた。
目の前の彼女は、そんな私を少し困ったような表情で見つめていて。やがて小さくため息を吐くと、まるで泣くのを我慢する子どものような表情で笑った。
「────じゃあね、真悠先生」
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主催:楠富つかさ様、星花女子プロジェクト
協力:星花女子学園
キャラクター原案:桜ノ夜月(蜂谷 旬)、はと子様(小板橋 真悠様考案)
星花女子プロジェクト概要:架空都市S県空の宮市に建つ中高一貫型の私立女子校「私立星花女子学園」を舞台とする世界観共有日常系学園百合小説企画の第11期参加作品
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません
※金曜定期更新