中学二年生の空木つばさは祖父と母の三人暮らしをしている少年だ。
誕生日の日にあまり裕福とはいえないなか、祖父にコンパクトデジタルカメラを買ってもらい、野鳥観察にのめりこんだ。
カメラを買ってもらって嬉しかった反面、祖父への反発心も抱えた複雑な心境だった。
なぜなら祖父は、がんの治療を拒否しているからだ。
ある日つばさは、公園で夢中になって鳥を追っているうちに金銭トラブルに巻きこまれてしまい、そこで見知らぬ男性に助けて貰う。
つばさを助けた男性は名を白山といい、彼は奇しくも死んだ父親と年齢が同じだった。
白山との出逢いが、少しづつ少年を変えていく……。