ラフィーネの結婚式の思い出は、式の最中に乱入してきた女性と、隣で青ざめる夫予定だった男性の姿だ。
当然、その結婚式は中止になった。
数年後、皇宮に勤めているラフィーネにはそれなりに男性と知り合う機会はあったが、すでに結婚は諦めており、このまま仕事に一生を捧げようと決めていた。
そんなラフィーネには、嫌いな言葉がある。
それは男性が気軽に言う「約束」という言葉。
男性がラフィーネと交わした「約束」は、いつだって守られない。
どんな些細な約束でも絶対に反故にされる。だから、ラフィーネは約束をされたら諦めることにしていた。
後輩の恋愛を見守っていたラフィーネが知り合ったのは、騎士団長で公爵のヴァッシュだった。
男性に何かを「約束」されるのが嫌いなラフィーネと、言葉の重みを知るヴァッシュの恋の行方は?
「苦い恋」シリーズです。