風呂を上がると、そいつは部屋に浮いていた。

誰かの不満と共に始まる。サア、サケヲノモウジャナイカ。

　やめろ、やめろって。上手いこと言いたいだけなんだろう。それ別に良いこと言ってないからさ。

自他共に認めるゆとり刑事こと現場未経験の新人刑事美樹は、先輩からの申しつけにより、「影裏」と呼ばれる奇怪な事件を専門に取り扱う部署に属する御神と共に事件を追う事に。 地上にいながら外傷もなく窒息死している死体。不可解な死体が示す言葉は、 "コオリオニ"。

　俺はもう頑張らなくていいんだぁああああ。 　by ただの人間

　どうやったって、ちゃんと伝わるなんてことはないんだ。

言葉に縛られる僕についての短い短いお話。

久しぶりに帰った我が家で私は真っ黒な黒い石を見つける。それはたしか、三億年前から存在する黒い石だ。それを目にした瞬間、私の記憶は少女だった頃にタイムスリップし、セピア色に彩られた淡い思い出が私の脳裏に蘇る。それはあの時の飴玉のように甘くて、ちょっぴり切ない記憶。

たんたんたんたん……。進む先にあるモノは、いつだってただの物語。