「――さあ、これから世界を救う話をしよう」 　とある港町に住む高校生、セージこと呉井誓治はいかんともしがたい事情により十八までに死ぬか異世界/異次元に転移する必要に頭を抱えていたところ、剣と魔法の世界≪サニフェルミア≫へ転移を果たす。……世界一嫌いな義姉の道連れとして。 　転移したその先でセージが出会ったのは自称「歩く天災」「炎獄の夜」が「キュートにおしゃまに大☆変☆身！」したらしいピンク幼女な吸血鬼・ライラ。 　その世界は遠い昔に神の裁きに分かたれて以来、「人間」と「異種族」による戦火と怨嗟の応酬が止むことはなく、争いの中で独自の発展を遂げていた。 　さて、そんな世界で、一切の希望すら、「何も持てなかった少年」が「世界を揺るがすほどの力」を手にしてしまったら―― 　微睡みの世界に先はなく、神は既に廃棄を決定した。 　これは、ひとりの少年が、世界を救うために神に抗う物語。 ------------- ＜重要なお知らせ＞ 本作に先んじて、とあるお子様冒険者の物語を執筆中です。改稿中の「これから世界を救う話をしよう！」はそちらがひと段落するまでお休みします。シリーズ「レコード・オブ・サニフェルミア」から飛べますので、よろしければご一読くださいませ。 2020/1/18:絶賛改稿作業進行中です。今後、章の順番をひっくり返して時系列順とします。読んでいただいている方、大変申し訳ございませんが、話のあらすじは変わらないので、なにとぞご容赦くださいませ。

　神代暦四千年、祖神“常春”が興した大地は人の栄華を極めていた。祖神を信じる民は減り、己と力を信じる者が台頭し、大陸は争いと混沌に包まれつつある。 　人類始まりの地と呼ばれ、最後の神々の住まう場所とされるティシアミア地方では、100年に一度の儀式が執り行われようとしていた。 　――我ラ、“雪”ノ御許ヘ還ル

老いた祖母の代わりに神語として宮へ上がった澄佳が仕えるのは、その身体に神を宿した皇子、琉枉。 孤独な夜を二人、分かち合えたら。

ただの一般兵である少年。彼には特に秘密もなく、普通にしていればそのまま兵士として一生を終えるはずだった。だが数奇な運命が彼を捕らえ、残酷な世界の真実は彼に逃げることを許さなかった。絶望の果てに少年が掴み取った結末に、はたして希望は存在するのか――。 現在第一章『歩兵』終了。第二章『鋼剣』執筆中。