汚染と戦争が絶えず、人口が減少し続ける近未来。架空の分裂国家が舞台の物語。ある事件がきっかけで世界的民間軍事会社のエリートから地方の警備会社へ転落することになった男、山葉。ある事件がきっかけでジャーナリストを辞めて警備会社での凡庸な人生を選ぶことになった女、クーリロワ。
警備員とオペレーター、決して面と向き合うことのない二人の人生が、聖女と呼ばれる予知能力を持つ少女の存在によって、徐々に紡ぎ合わされていく。
果たして、聖女とは何なのか。聖女にのみ発現するという《粒子の思考》とは何なのか。そして、少女を狙う敵からの逃避行の果て、彼らが見出す数奇な運命とは――