賢者と称えられる頭脳を持つ公爵家の次男、ジル。彼には前世の記憶があった。親友の恋人で、彼の想い人でもあった幼馴染の少女を助けて、代わりに川に落ちた記憶。その幼馴染たちもまた転生してきていることを知り、彼の運命は再び動き出す。
彼は涙を知らなかった。彼は愛を知らなかった。愛したいと願い、愛することを恐れ、愛されたいと願い、愛されることを恐れた。欠陥品の心を抱いたまま足掻く彼のことを救いたいと、そう願う少女の存在も、見て見ぬふりをしていた。
今度こそ、幸せに。
願いはただ、それだけなのに。
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異世界転生ファンタジー。しばらくの間はキャラが報われない・鬱展開多め。ヒロインの登場は第二部から。初めて読む方は第四部からお読みいただいても話は通じると思います。
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第七部開始しました。追憶は、遠い原初(はじまり)へ。