加々良 至誠《かがら しせい》は意識を取り戻すと、知らない世界で治療を受けていた。
治療してくれた吸血鬼の少女いわく、地底の氷層から発見されたという。
異なる言語形態、未知の魔法技術、聞いたことのない国名や宗教、人類から派生した亜種の存在、そして災厄を招く彁依物《アーティファクト》に、世界を覆う不浄之地とグロテスクなバケモノ共――いずれも日本ではあり得ない話ばかりで、まるでファンタジーかSF、あるいはホラーのような異形の世界だった。
ここは異世界か、パラレルワールドか、はたまたポストアポカリプスなのか――至誠は日本に戻る手がかりを探すべく、現代日本の知識と引き換えに吸血鬼の少女に力を借りることにした――の、だが……。
[お知らせ]
-2024.09.26 序幕を冒頭に戻しました。4章17.5話を間違えて削除してしまったので再投稿しました。
-2024.08.21 序幕を第3幕後の幕間へ統合、第1幕を加筆修正、タイトルにサブタイトル(仮)を追加しました。
-2019.12.15 改訂版を再投稿しました。
-2017.01.29 初稿投稿しました。