誰がどんな理由で作ったのか、なぜそんなものが存在するかさえも分からないが、そこは迷宮が存在する世界だった。
迷宮から得られるモノを求めて多くの探索者たちが迷宮に潜り、その大半はそのうち潜ったまま帰ってこなくなる。
そんな世界のとある迷宮都市で、一攫千金を夢見るソロ迷宮探索者のケンこと鈴木健一郎は日々を過ごしていた。
この世界へとやって来た直後に嫌が応もなく探索者となってから既に5年が経ち、自らのスタイルも確立されきって良くも悪くも変化に乏しい日常を送っていた彼だったが―――ある日、迷宮の中で幸運にも宝箱を発見する。
宝箱の中から出てきた物をどう利用するか。
その選択をきっかけとして、長い間ずっと代わり映えのしなかったケンの周囲を取り巻く状況がだんだんと変化を始める。
そんな彼の、彼自身は特に世界の有り様を変えることもない日常の物語。
※最初はプロローグではなく各章のあらすじです。新たに読んでいただく方は第1話からお読み下さい。
申し訳ありませんが、2巻以降を出す予定はありません。