魔力が当たり前にある世界。人それぞれ違う色の魔力を持つが、世界にただ独りだけ同じ色を持つ「魂の番」と呼ばれる相手がいる。
そんな世界に生きる雌狼は、魂の番を探し世界を彷徨い、漸く運命の相手に巡り合った。
それは森の奥の一軒家に引きこもり、独りで研究を続ける人間の男。
研究に夢中な男に、狼はせっせと食べ物を運び、
「お前、僕を太らせて食べるつもりだろう!?」
と怯える男に、
「ああ愛しい番、はやく大人になれ」
と愛を囁く。
そんなどこまでもすれ違うふたりの、魂の番を巡る、ちょっぴり切ない異種族間恋愛譚。
※向日葵様主催の、「世界に向かってもふもふ愛を叫ぶ」企画参加作品です。