アリス・カートレットは稀代の魔導師である。彼女は齢17にして現役最強魔導師の称号を得た。しかし彼女はまだ若く、最強と周りから持て囃され、期待されることに辟易していた。周囲の同級生達からも彼女の位の高さから距離を置かれていた。
そんな中、彼女の教師であった主人公のメヴィウスは、かつての魔導界の腐れ事情を見てきており、魔導師というものの未来になんの期待もしていなかった。当然、それには現役最強と謳われたアリスも例外ではない。
だから彼だけはアリスに対して、なんの期待も寄せず、遠慮なしに接することが出来た。アリスはそんな彼に惹かれる。
そして彼女の想いが彼に打ち明けられた時、彼は思った。
どうしてこうなった、と。
これは英雄少女と英雄になり損ねた男が紡ぐ物語。
彼と彼女。一度捨ててしまったから彼は英雄になれない。彼から貰った彼女は英雄となった。