魔法が息づく世界でシルドは、幼い頃から司書を夢見ていた。しかし、彼は貴族であり次期領主。所詮、夢は夢だった──。が、十五歳の誕生日に前世の記憶がよみがえる。それは司書を目指しながらも、果たせずに死んだ結末だった。自分の運命に諦めかけていたシルドであったが、前世の記憶に導かれ、再び司書になることを決意する。
目指すは、魔法王国の都にあると噂される『アズール図書館の司書』。世界最大の図書館ながら、ほぼ全ての情報を非公開としており、司書の存在は幻想の類と称されている。それでも夢を叶えるため、彼は決意を胸に王都へ赴いた……。失われたとされし古代魔法を携えて、世界最高峰の司書へと歩み行く、若き青年の異世界物語。