エルフはお風呂好き? ドワーフは汗臭い? 貴族は何故香水をつけるの? 宗教家は入浴が苦手?
衛生観念のないファンタジー世界で疫病が蔓延したら、魔王どころの騒ぎではないのを御存知でしたか?
これはそんな世界の終わりをありふれた東京下町の銭湯が救う物語です。
『やあ松の湯にようこそ。
ここは江戸時代からある古き良き公衆浴場だ。
年中無休。営業は午前十時から午後十時まで。
入浴料は大人が四百円、学生は三百円。十歳以下のお子様は無料だよ。
おっと、お客さん異世界人だね?
子供の振りしちゃあいるがハーフリングだろ。
おまけにそっちは女湯だよ。
お天道様が許しても、公衆浴場法第三条と番頭さんが許さないからね。
さあさあこの手拭いとバスタオルを貸してやるから、
身も心も、それから泥だらけのあんよも綺麗にしてくるんだね』