魔術は誰もが手軽に使えるようになっていた。
魔法陣とその方角、触媒、詠唱、これらはすべて科学で代用できる。
そのために最適なデバイスこそ、科学の結晶である高機能型携帯端末だった。
魔術の発動に必要な手順はすべて機械が代用してくれる。
液晶は魔法陣を描き、GPSは方角を合わせ、スピーカーは詠唱をする。
必要な触媒は代用品の詰め合わせを内蔵しておけばそれでいい。
あとは使用者本人が魔力を流すだけでお手軽に魔術の行使が可能だ。
そんな科学と魔法の区別すら曖昧になった世界。
魔術なんてただのコピー可能なデータでしかなかった。
その魔術のデータの中でも特に危険な魔術がネットでばら撒かれる事件が起こる。
高校生 木原喜一は事件に巻き込まれ、魔術の正体について知ることになっていく。
インターネットと魔術の両方のネタを使った小説です。
クトゥルー系のネタも少し入ってます。