現代社会にこっそり生きていたはずの僕と妹が落ちた先は幕末だった。まいったね。いや、実は口で言うほど、そんなにまいってないけど。刀があっても、誰であろうと、僕らを殺すのはちょっと苦労するだろう。だって僕らはちょっとぐらいじゃ死なない。傷はすぐに治るし、病気もしない。分かりやすいように言うならバンパイア。吸血鬼とも言われるやつだ。現代では人を襲ったりしないから、吸血「鬼」と呼ばれるのは、非常に不本意だね。天然記念物なみに珍しい種族なんだよ。僕らは。そして今は新撰組に居候中。えっと。この後、どうなるんだっけ? 日本史なんてあんまり覚えてないんだけどな。→京で生きることになったマイペースな吸血鬼の幕末物語。