少年道化師ライモ・マックスは、名門サーカス団から宮廷道化師へと登用され、若きアイラ王女の信頼を得る。学識と魔術に長けた彼は、女性参政権を求めるアイラの理想に共鳴し、政治と魔術のはざまで奮闘する。王政は貴族の腐敗により機能不全に陥り、ライモは仲間たちと共に新たな秩序を模索する。 物語の鍵を握るのは、**「無限星の印」**を持つ108人の選ばれし者たち。印を持つ者は次々と登場し、革命家、放浪の王、魔術師、騎士、そして他国の王女らが交錯する。印は偶然か、それとも運命か。 アイラは女王即位に情熱し、ライモはその陰で人々の声を代弁する政治家へと成長していく。一方、スメラ国からの使者や、謎多き放浪者オーの出現により、国際情勢も不穏さを増す。呪われた王、秘密の騎士団、多様なジェンダーを掲げるミモザ騎士団、そして地下に眠る魔王と地獄の伝説——。 それぞれの「星」は、自らの輝きを求め、交わり、そして新たな革命へと導かれていく。 物語は、ただ一つの運命に向かって進んでいる。 政治×フェミニズム×ジェンダー

夏休み。中学校の図書室で勉強する男子生徒と女子生徒の会話。 とある戦国武将と、その正室の昔語り。

病弱な主人公の過ごす日々。

時は現代。異能を操る大家・白衣家の当主である鏡花は、九曜家に家を乗っ取られ、牢暮らしを送っていた。その気になれば、牢破りも可能な彼女が囚われの身に甘んじている理由とは。過去、彼女が母を亡くした異能テロ事件『百花の乱』。その真相に迫りつつ、今日も彼女は美味しく食事をいただく。

終戦記念日に伯父は逝きました。

カディーコットンのシャツブラウスに託された母の想いを、娘はシャツを着るたびに反芻する。

瑠香は硝子屋。口にした硝子から、それにまつわる記憶を読み解く。そんな彼女の補佐をする青年・桂は、瑠香を大切に扱うが、瑠香は本心では桂に憎まれていると思う。

美也は波留から貰った星砂を大切にしていた。ある夏の晩、その波留から電話がかかってくる。それは本当は、繋がるはずのない電話だった。

乙苗は、変わった容姿をしていることを罪とされ、島流しの刑を言い渡される。そんな乙苗に、十郎太は一緒に島に行くと告げる。

最愛の妻と幸せになれると思っていた男だったが。

翡翠という名前の少年と、ビリジアン色の瞳からビリと名付けられた猫の友情を描いた童話です。

都中央の石畳に咲く艶やかな大輪の花は、人喰い花だった。 聞けば男に裏切られた女のなれの果てだと言う。

旧家の一人娘である早瀬真衣央は、家庭内暴力を受けていた。味方は犬の左衛門のみ。 ある日、ふと足を向けた小さな宮で、真衣央は不思議な少年と出逢う。 彼との出逢いが、真衣央の運命を変える。 お気に召しましたらブクマ、☆、レビューなどご検討くださると幸いです。

とある小国の姫君は、両親や家臣、民に愛され健やかに成長した。 傍にはいつも、まつろわぬ民の末裔である少年がいた。 二人は恋心を育み、その関係はずっと続くかと思われたが――――。

僕の心に永遠に住み着いてしまった貴方。

残酷なほどに美しく澄んだ湖を前に、男女が並び立ち語らう。

あまりにも激しい愛情が、「私」を狂わせ奈落に落とした。

雪嵐の中、彼を刺した私は私をも刺した。

昴と麒麟は陰陽道の大家に生まれた七つ年の離れた兄弟。昴が十七歳、麒麟が十歳の早春、怖い夢を見たと怯える弟の麒麟に、昴は位の高い妖の一族の姫である、金色姫の花嫁行列を見に行こうと誘う。実力主義の家の中、昴より麒麟が優遇され、ぎこちない関係になっていた兄弟は二人、金色姫の嫁入りを見に行く。

これはよくある「龍殺し」の物語ではない。魔法が使える宮廷道化師とお姫様は互いに惹かれあうが身分の差が恋を諦めさせかけた。百年に一度、大地から目覚める龍が国を荒らす、姫様の結婚は龍の伝承としても語られると巫女が予言した。女性が政治にたずさわることを目指すヘレナ姫と彼女の一番の幸せを願う道化師のライモ。ライラックの花が咲き誇る奇跡の日を二人は待つ。