暗雲が空を覆い、稲光がその姿を主張している。地響きとともにアスファルトには、大きな亀裂が奔った。まるで世界の終わりのような、それ。割れたアスファストの上に寝転びながら、蓮見 鈴(ハスミ レイ)は人事のようにその光景を眺めていた。
人事じゃなくて、当事者っていうか被害者なんですけどね。
最初からクライマックス? 怨霊を封印して、主人公はパッピーエンド? 私が誰かと申しますと、名乗るまでもないモブ傍観者です ……え? ここがどこかって? ここは『クロノクロック~刻の砂時計~』と呼ばれる乙女ゲームに類似した世界。なんで、そんなこと分かるかって? どうやら私、前世の記憶持ったまま生まれてきちゃったようです。いえ、モブなんで良いですよ。
※R15は、保険です。現在そのような表現はないと思われます。