三十五歳にしてCランク冒険者をしている『万年中堅』グウィンは、娼館で出会った娼婦サテラの借金を肩代わりして身請けしようと資金を溜めていたが、ようやく金が貯まったところで、貴族が金にものを言わせてサテラを引き取ってしまう。育ての親であり、所属するギルドの長でもある少女の姿をしたエルフ・セプティナは、息子と呼んで可愛がっているグウィンの幸福を祈っていたが、サテラとのことが上手くいかなくても、今までと同じように冒険者稼業を続ければいいと考えていた――しかし、グウィンが森で少女剣士フェリアをスライムから助けたことで、彼らを取り巻く状況は変化していく。グウィンを「先生」と呼んで慕うフェリア。彼らの関係を見ているうちに、グウィンとの年の差が大きすぎるあまりに一定の距離を保ち続けたセプティナも、徐々に心境が変化していく。溜めていた資金を中古の家の購入に当て、フェリアと一緒に暮らし始めるグウィン。同居人兼パーティメンバーが揃っていく中で、グウィンはフェリアの秘めた素性を知ることになる。