天孫降臨より三千と数余年、災禍続く。悪鬼の戯、甚しく、世、大いに乱れる。悪鬼鬼神、人心を惑わし、以って世を欲さんとす。民、憂えて呼ばむ。禍の世来けり、と。
(宝史伝 天錦の章より)
世界は百年前から変化を続けていたーー。
四大国の一つ、碧の国の長姫である、克羅藍。碧の宝と称される少女はしかし、隣国、紅南国との戦争によって、友を、家族を、そして祖国を失ってしまう。
逃げ惑い、あてもなく彷徨う藍。そんなとき出会ったのは、昴という謎の少年であった。
碧の国滅亡の裏に見え隠れする、悪の化身、夜叉。三千年続く世界の、始まりから続く、神々の縁。
藍と昴の旅は、やがて他国を巻き込み、世界の在り方をそのものを揺るがすできごとへと繋がっていくーー。
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古代日本、古代中国の神話に構想を得た和風ファンタジーです。前半暗いですが、後半盛り返します。