強大すぎる魔力故に、魔王と呼ばれかつての仲間達に憎まれる事となった大魔導士レイル・エヴェレットは、幼馴染でもあるアイナに討たれるさい「時間遡行」の魔法を行使した。
五歳だった頃の身体に転移することに成功したレイルは、直前に自分を殺した幼き日のアイナの命を偶然助けてしまう。
そしてそれこそが、レイルの運命を大きく分岐させる一因となるのであった。
これは過ぎた力を手に入れたために、一人ぼっちになってしまった男のやり直しの物語である。
力を隠し平凡な人生を歩もうとしたレイルだったが、彼を取り巻く環境は次第にその力を必要とし、レイルもまたその期待に答えるようになっていく。
それが世界の有り様を大きく変えるものだと、当事者であるレイル自身は知る由もなかったのであった。