純血の魔法使い一家に生まれたラルクは、才能主義の名門に相応しくない「三流魔法使い」であるとして家名を剥奪された。
ある夜にラルクは決意した。
いつか名前を取り戻しにこよう。
三流なんて誰も口にしないくらいに強くなろう。
強さを求めて向かった迷宮都市。
危険で孤独な探索を続けていたラルクは、くすんだ宝箱から大昔に焼失したとされる伝説の魔道具、奪才の魔法書《ペッカートル・ブック》を得た。
かつては偉大な魔法使いが持っていたとされるその奇妙な本には、殺した相手の魔法を奪う力があるという。
これは優しい人々との出会いから、才能より大事なものがあることを知った魔法使いの物語。
※アルファポリスに同時掲載