※『悪女エリザベートによる軌跡』に修正版がございます。そちらをご覧頂くことをお勧めします。
王太子ラディスラウムと公爵令嬢エリザベートとの婚約破棄によって端を発する混乱は、収束する様子を見せず、むしろ拡大の様相を呈していた。そして、それは王宮であっても例外ではなかった。
各所で剣戟の音が響き、味方はどんどん遠ざけられていってしまっている。そんな中、国王アルブレヒトは床に倒れていた。王太子である息子ラディスラウムとは引き離されて、安否はわからない。そこに近づいてくる元凶たる男。振りかぶられる白刃を見ながら、どうしてこんなことになってしまったのかを、アルブレヒトは考えていた。
※本作はシリーズ『とある王国の物語』の四作品目になります。先に前の三作品をお読みください。