「アンジェリカ!ーー」
小姑のエンヌが呼ぶそのアンジェリカとは元聖女候補たった私の事。
今日も小姑エンヌが私に暴力を振るう...… しかし私は心の中で笑みを浮かべていたの。
( フッ… あと少しの辛抱だわ)
人を憎むことを知らなかった純粋だった私ですらこの理不尽な経験で男爵家を許せる事は出来なかった。
3年間の『白い結婚』も迎えられた。 おまけに枯渇したはずの聖力もすっかりと戻っていた私。
子爵家の私が爵位の低い男爵家に借金のかたで嫁がされたけれど、いつまでも大人しくしているとでも?
例え、一途に秘めた王太子への想いは実る事が無かったとしても… 復讐だけはキッチリしてみせる!?
ん? でも何故か王家も動いているようなんですけど?