とある異世界に存在する大陸『アーシスベルグ』に、異次元より来た未知の存在――通称『魔王』と彼が率いる大軍勢が突如侵攻。
圧倒的な戦力を有する魔王軍の攻撃によりアーシスベルグ大陸の国々は壊滅の危機を迎えるが、アーシスベルグ大陸の神々は民達を見捨てていなかった。
なんと古くからある、神々が残した預言の通りに、魔王らがいた異次元『魔界』とはまた別の世界から、救世主となりうる七つの高潔なる魂を、神々がこの世へと導き……七人の勇者を誕生させたのだ。
そして、勇者達とその仲間達の活躍によって魔王が敗れ去ってから……幾年月。
アーシスベルグ大陸に存在する国々は、魔王軍よりも厄介な問題に直面していた。
それは、魔王軍との戦争のせいで……アーシスベルグ大陸が他の大陸の国々にマイナスなイメージを持たれた事に端を発する、国交の断絶の危機!?
そして、これをどうにかしようと考えたアーシスベルグ大陸の王達は、なんと魔王軍の隠れ家や通り道であった通称『ダンジョン』及び『ステージ』を観光資源にする事を決断!?
さらには勇者達を支援した《教会》が、勇者達に神々が与えられた『能力』を少々グレードダウンさせた『能力』を生み出し、さらにそれを観光客に譲渡する術を編み出す事に成功し、誰でも擬似的に勇者と同じ『能力』を得る事ができるようになり、アーシスベルグ大陸の国々は魔王軍の残党への対処の手段と同時にさらなる観光客を得て、辛くも国交断絶の危機を脱した。
しかし、勇者の『能力』を得る者が、良い人ばかりではないワケで……?
これは、勇者が世界を救った後の物語。
勇者の活躍の裏で起こっていた、世界の危機と対峙する者達の物語。