麗しき王太子夫妻の間には、王子が二人いる。
王太子は果報者であった。
若く美しい王妃、愛らしく優秀な跡継ぎの息子達。
何一つ憂う事にない日常。
誰もが羨むほどの環境であった。
一見、幸せそうな家庭である王太子一家だが、夫の王太子は何故か不貞を重ねていた。
相手は毎回、身分が低い女性ばかり。
初々しさが目立つ美少女たちと浮気を繰り返していたのだ。
なにが王太子をそうさせているのか。
大恋愛の末に結婚した一番最初の妃の存在のせいか。
それとも、冤罪で死なせた元婚約者の存在のせいか。
それは、誰にも分からない。
そして、不可解な事がもう一つある。
王妃だ。
夫の浮気に何故か寛容な二番目の妃。
賢妃としても名高い彼女に真意とは。
そこには王太子の知らない真実があった。
今も、昔も、何一つ真実が見えていなかった王太子。
現在の妻はそんな夫に対して、優しく、そして辛辣に話し始める。
知らなかった方が幸せだった!
そう思っても後の祭り。現実を直視した王太子の未来は・・・。