ブックマーク一覧 カテゴリ公開 全51件
連載 完結済 7エピソード
 坂ノ上一臣は人を殺した。最上曄夏という名の、心から好いた女であった。自責と後悔に苛まれる一臣は夢を見る。地底湖に架けられた桟橋を誘われるように歩けば、女がいた。  お待ちしておりました一臣様――と女は笑った。  黄泉路の果てに、想い合った男女が織り成す愛憎の夢物語。 ―― ※この物語は作者の妄想に基づいた完全なる虚構です。登場する人名、地名、団体、組織その他名称に一致があったとしても創作上の偶然であることをお断りいたします。 ※過去、異なる筆名で本サイトに投稿していたものを加筆修正しておりました。 ――
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純文学[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2022年07月19日
連載 完結済 80エピソード
 子供の頃から喫茶店で働くことが夢だった。  大学二年次、夏期休暇の頃。  下宿先として世話になっている祖父の家で読書をしていると、実家から尋ねてきた弟から一通の手紙を渡された。数年前に失踪して現在も行方が分からない祖父からの封筒である。  曰く、喫茶店の店舗を用意した。場所は異界である。奇跡と魔術が存在する珍妙奇天烈な世界であるが驚くなかれ。人生の糧としてくれれば幸いである――とのこと。  手紙に従い、同封された指輪を嵌めて裏庭の蔵に行けば、蔵は確かに異世界らしき場所に繋がっていた。  けれど。  驚いたのは、いつの間にか趣ある喫茶店にいたことでも、自由自在に魔法が使えることでもなくて。窓ガラス越しに見える風景――暗い空から静かに降り積もる雪と、青褪めた巨大な満月であった。月光に導かれるまま外に出て、何をする訳でもなく月を仰いでいれば、黒馬に跨ったひとりの騎士が通りかかる。 「もし、お嬢様。何をされているのですか」 「月を、見ておりました」 「月光を浴びてはなりません。月蝕病に罹ってしまいます」 「病気、ですか。あの月は悪いものなのですか。こんなにも綺麗で、懐かしいのに」  私の問いに、騎士は肯定も否定もしなかった。  少々ばかり緘黙したのち。 「月は、生ける者を惑わし、死せる者を裡に閉ざしてしまう――神の造った楽園です」  とだけ答えた。  その表情は、死別してしまった誰かを深く悼むようでもあり、あるいはその原因となった誰かを心底恨むようでもあり――私は彼の美しい顔に見惚れてしまった。  それが、私と彼の出会いであり、まだ名前すら決まらぬ喫茶店の、初めての客であった。疲弊した彼を奇跡で癒したことを契機に、私が聖女であるという評判が広まり、店は次第に賑わっていくが――。  巨大な満月を巡る、のちに聖女と呼ばれる少女と、熱烈な守護者となった騎士の物語。 ―――― ※あらすじは開発中のものです。実際の内容と異なる場合があります。ご了承ください。 ※この物語は作者の妄想に基づく完全なる虚構です。実在する人物、地名、所属、その他名称において一致があったとしても、創作上の偶然です。 ※本作品は、フロムソフトウェア製「DARK SOULSⅢ」および「ELDEN RING」の影響を大いに受けていることをここに白状致します。
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異世界[恋愛]
最終更新日:2024年05月02日
連載 完結済 49エピソード
エルフに育てられたゴブリンの優等生と、ゴブリンに育てられたエルフの不良娘。 鏡合わせのような境遇の二人が多様なファンタジー種族の共存する現代アメリカっぽい世界で送る、ハートフルなダイバーシティ青春ラブコメ!
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2023年11月25日
短編
十年前、私は人を殺しました。 皆様は、どうかご注意ください。
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ホラー[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2023年01月15日
連載 完結済 16エピソード
 大正十年、薄暑のこと。帝都で写真家をしていた伊達夢明(だてゆめあき)は、豊かな自然を撮るため七年振りに盛岡へ帰郷する。下宿先として紹介された洋館「蚕屋敷」の主、蚕影天涯(こかげてんがい)とその娘、嘉多子(かたこ)に歓待される中、夢明は迷い込んだ桑林でひとりの娘と会う。  姫子(ひめこ)と名乗る白髪に白無垢を纏った少女は、帝都からの稀人である夢明と、彼の持つ写真機に興味を抱き、己が姿を撮影して欲しいと請う。それを契機にふたりは逢瀬を重ね、互いに惹かれ合うが、姫子は自身に蟲の血が流れることを、そして来訪神に捧げられる生贄であることを夢明に打ち明ける。 「妾は、あの化物に犯され、喰われて果てる。そのためだけに産まれた贄なのよ」  夢明は姫子を帝都へ連れ出そうとするが、少女の一族が、そして少女の良心がそれを赦さない。どうすることもできぬまま儀式の夜が迫り、ついに神官達の手によって、繭の中で眠る姫子は攫われてしまい――。  近代日本において、古の慣習に囚われた蚕達と、写真家としての在り方に煩悶する若き男の物語。 ―――――――――― ※この物語は作者の妄想に基づく完全なるフィクションです。登場する団体、職名、地名、氏名その他名称において万一符号することがあっても、創作上の偶然であることをお断り致します。 ※かつて異なる筆名で本サイトに投稿していたものを加筆修正した作品です。
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ホラー[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2022年07月25日
連載 完結済 16エピソード
村上は仕事で新宮市熊野川町を訪れているとき、川向こうに小さな集落があるのを眼にする。 聞けば、あれこそ百夜月(ももよづき)だという。消滅集落となって久しいが、かつてはロマンチックな悲恋伝説が残されていた。いくら男が恋焦がれても、月が邪魔して女に会えない話……。 小野小町と深草少将の百夜通いと酷似していることに気づいた村上。なんらかの形で伝播した異伝であろう。 胸に苦い記憶が甦った。 というのも6年前の京都。村上は『京中テレ』で売れっ子美人キャスター、中谷 董子にひと目惚れした。彼女をモノにしたくて、テレビ局で出待ちしたことがあるのだ。 せっかくいい関係になりかけたのに、董子は病気になって家に閉じこもり、離れ離れになってしまう。 村上も愛知の一宮に帰り、半年経ったころ、董子のことが忘れられず、会いに行こうと決意。 再会した彼女は人格が変わっていた。まるで小町のように、村上を試すのだった。 ――「私の家に百日通えたら、君の女になってやってもいい。そうして君自身の信念も試してあげる」 このテストに挑まずにはいられない。一宮から京都山科の董子の自宅までは、直線距離で約96Km、最短ルートで約130km。バイクで通勤するにはいささか酷なゲームだった……。 ※本作は黒森 冬炎様主催の『ライドオン・テイクオフ~移動企画~』参加作品です。
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現実世界[恋愛] R15
最終更新日:2021年11月01日
連載 完結済 23エピソード
大正時代。悪鬼に惨殺された妹の仇討ちのため、復讐に取り憑かれた特別高等警察の青年の物語。
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歴史[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年03月31日
連載 完結済 70エピソード
物語の町で出会った女の子は、キツネを自称する女子高生だった。 狐嫁の伝承が息づく実在の町を舞台にした、現代のあやかし物語。 協力 茨城県龍ケ崎市 初出 新紀元社パンタポルタ(プロローグ・一章) イラストは友人で漫画家の海原壮先生からいただいたものです。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2022年03月06日
短編
今となっては、もう前のことになるが『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』という本がある。私は買っていないが、面白い試みだとその企画に感心した。 太宰治バージョンを作った後、村上春樹的作品を作ろうと思い、試みたことがあった。 しかし、どこか何かが足りない気がして、お蔵入りになっていたのだが、それを、今回引っ張り出してきた。蔵出しである。すでに流行遅れで、安かろう悪かろうになっているかも知れないが。
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コメディー[文芸]
最終更新日:2020年07月01日
連載 完結済 5エピソード
一話3000~5000文字程度の「夏をテーマにした」短編集です。 4話ほどになるとおもいます。 テーマはお盆、夏祭り、花火、地蔵盆などなど。 それぞれ主人公は別々でお話も別々、時代設定なども別々です。 夏の断片をお楽しみください。
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純文学[文芸]
最終更新日:2019年09月06日
連載 34エピソード
元短距離走者の上條 充留(かみじょう みつる)は、突如失踪した婚約者・町村 密(まちむら ひそか)の足どりを追って、彼女の故郷、〆谷(しめたに)へ向かう。 〆谷は某県の紀伊山地を深く分け入った先にある山村。少子高齢化の著しい絶望的な限界集落にすぎない。 折しも〆谷では夏祭りを二日後に控えており、住民たちはその準備に追われているようだった。 ところが上條は密を捜すも、〆谷の住民たちの陰謀にはめられてしまう。囚われ、村に隔離されたのだ。 この村は異常だ。誰も彼もが狂気に我を忘れていた。 連中は、夏祭りの際、18年ぶりに秘儀『異人担ぎ』とやらを行うため、上條をご神体として祭りあげるのだと息巻く。 このまま、おめおめと神輿にされてたまるか。必ずや奴らの暴走をとめ、そして密を取り戻してみせると、上條は誓うのだった――。 ※これは遥彼方さま主催『夏祭りと君』企画、参加作品です。 ※参考文献 『聴耳草紙』佐々木 喜善 筑摩叢書 『異人論序説』赤坂 憲雄 ちくま学芸文庫 『異人論 民俗社会の心性』小松 和彦 ちくま学芸文庫 『藪原検校』井上 ひさし 新潮文庫 『魔の系譜』谷川 健一 講談社学術文庫 『民俗宗教 タタリと民俗社会』監修・櫻井 徳太郎 東京堂出版
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2020年11月29日
連載 完結済 4エピソード
漱石について。漱石論というより、漱石を通じて自分を語るという風になってしまった感があります。全四回。
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エッセイ[その他]
最終更新日:2019年04月16日
連載 1エピソード
 人類は2018年を最後にその文明を崩壊させた。  ASMV試作三号混合液は新型ウィルスのパンデミックに紛れ、爆発的な速度で人類を蝕み、爆発的にその個体数を増やし、その文明を根絶やしにするように人を、物を、あらゆるものを飲み込み進化していった。  最初は有効打を与えられた銃弾もやがては効かなくなり、核兵器すら彼らは飲み込み――そして人類は地球を見捨て月の裏側に逃げ込んだ。避難船に乗れなかった貧民を残して。  生きる死者――誰がそう呼んだのかは分からない。しかし彼らは、死者の軍勢は全てを飲み込まんと、十年を経た今でも蠢き続けている。  シュライバー博士とアンネマリー博士は独白する。『こんなはずではなかった』と。故に進化を正しい方向へと導くため、彼らは黙示録の獣を遣わした。その閉塞を打ち破るために――それが彼らの最大の間違いだった。  これは絞りつくされた地球にしがみ付いて生きる生き残りたちと偽獣による、創造主への反逆、宇宙への反逆の物語――その序章に過ぎないのである。 ■  石川チックな世界観を目指して短編として書こうと思ったら余裕で1万文字超えてしまったので分割投稿することに。  よいですか皆さん。これからの時代、弱い奴には生き残る資格はねぇンだ!(←グルグル目) ※注!! ・当作品には軽いスプラッタ的描写があります。演出の一つだと割り切れない方に非常に不快感を与えることになります。ブラウザの戻るボタンまたはマウスの戻るボタンをクリックされることを推奨します。 ・当作品はインフレ前提のお話です。主人公は強くなれません。永遠に。主人公だけが無敵モードのイージーな御話を読みたい方には大変に向かない作風となっております。ブラウザを閉じられることを推奨します。 ・当作品は聖書や御経などからの引用や名前に当てているキャラクターが登場します。キラキラネーム好きの方はぜひともお読みください。 ・当作品は聖書やお橋などからの引用があります。詳しく論じてはいませんがこういった類の引用が苦手な方に大変な不快感を与えることになります。ブラウザバックを推奨します。 以上が大丈夫な方はごゆるりとお楽しみください。
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アクション[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2019年01月02日
連載 完結済 7エピソード
貧しい漁民の父親が、海の恵みを手に入れるため、一人娘を海に沈める。海の世継ぎである若殿――「公子(こうし)」はその娘を迎え入れるのだが……。ハッピーエンドとなるのか、それとも。
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純文学[文芸]
最終更新日:2018年07月31日
短編
「じゃ、始めるわね。『昔々、あるところに……』」  そう口火を切って、彼女は目を輝かせ、軽やかな口調で物語を話し始めた。  ゆったりとした音楽とカフェインの香りをお供に、私はしばし彼女の語る物語に耳を澄ませた。
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ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2018年05月20日
短編
(あらすじ)  世界中の子供たちの戦争が無くなって欲しいと云う願いにサンタクロースの長、グランド・ニコラウスが答えたその瞬間から、悲劇が始まる。  世界中の軍、政府、民間人を問わない戦争を終わらせるための最後の戦争がはじまり、人類はサンタクロースの軍団によって滅亡一歩手前まで追い込まれることと成り、全ての人間が死を覚悟した時、唐突に戦争が終わりをつげる。  ある場所である少女が『私たちのお父さんとお母さんを返してください』サンタクロースにクーリングオフを求めて『プレゼントは一年に一回だ』サンタクロースはクーリングオフは適用されないと答え、物語は幕を閉じる。 ■(注意事項)  次回もサービスなんてしません(キッパリ)  ただただ残酷描写などが三万文字に渡って繰り広げられます。正直書いた本人がグロッキーになるレベルです。 ※注! ・本作品には過度な残酷描写を含みます。残酷な描写は嫌いだと云うお方には大変向かない作風と成っております。ブラウザの戻るボタンかマウスの戻るボタンをクリックすることを推奨します。 ・本作品には過度な人死に要素を含みます。誰も死なない戦争こそが至高と囀る反戦論者の皆様におかれましては戻るボタンをクリックされるかタブを閉じられることを推奨いたします。 ・本作品は三万文字です。千文字以上は読めないお方に物理的に苦行を強いることと成ります。ブラウザの戻るボタンかマウスの戻るボタンをクリックされることを推奨します。 ・本作品は主人公不在のうえ人類側が半ば滅ぼされて終わる純然たるバッドエンドと成っております。ハッピーエンドや主人公の立案する作戦が成功しなければ気のすまない方に大変向かないしようと成っております。ブラウザの戻るボタンかマウスの戻るボタンをクリックされることを推奨します。 ・当方は当作品をお読みになったことで発生するあらゆる責任を負わないものとし、読者の皆様の自己責任の許お読みいただくことと成ります。ご了承ください。  以上を承服頂けましたら、くつろげる空間に手リラックスした状態でお読みください。
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ヒューマンドラマ[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2018年04月19日
連載 完結済 216エピソード
『人よ、何故刀を振るう』  江戸時代、まだ怪異が現代より身近で鬼が跋扈していた頃のこと。  江戸より百三十里ほど離れた山間の集落“葛野”にはいつきひめと呼ばれる巫女がいた。  護衛役である甚太はいつきひめの為に刀を振るうが、何一つ守れず全てを失う。  巫女を、惚れた女を殺したのは大切な妹。  彼女は百七十年後、全てを滅ぼす鬼神となって再び現世に姿を現すという。  憎しみから鬼となった甚太は、何を斬るべきか定まらぬまま、遥か遠い未来を目指す。    鬼に成れど人の心は捨て切れず。  江戸、明治、大正、昭和、平成。  途方もない時間を旅する、人と鬼の間で揺れる鬼人の物語。  ※この作品はArcadia様にも投稿させていただいております
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ローファンタジー[ファンタジー] 残酷な描写あり
最終更新日:2016年10月24日
連載 7エピソード
未だ浅い夜の虚空に一点の月が輝いている。男はそれを喪失した!(栄光の喪失) / 恋人にも仕事にも恵まれた迫水が愛するものは写真だった。そんな彼はある日、陽炎のような幻の女を、彼岸に輝く一瞬の光彩を写真に切り取ってしまう。(静物の運動) / 地の底に還れ、鉄の棺桶よ。小説に、そして自分というものに向き合う少年少女の物語。 (God Only Knows)
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純文学[文芸]
最終更新日:2018年03月04日
連載 完結済 129エピソード
厚さ数キロの氷に閉ざされた自由惑星<ハイシャイン>。その氷の下に僅かに残された人間の世界に生まれ育った浅葱(あさぎ)は、十三歳を迎え一人前の砕氷(さいひ)となるべく先人達が永久凍土を掘り進めた氷窟に挑む。そこで彼女が事故のようにして巡り会ったのは、氷点下四十度の中で眠り続ける、女性の姿をした何者かであった。浅葱はそれを<ねむりひめ>と名付け、村へと連れ帰ろうとするのだが……。
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パニック[SF] R15残酷な描写あり
最終更新日:2018年06月05日
連載 141エピソード
説話を司る神の忘れられた御名において、はじめましょう。
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ハイファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2024年11月18日
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