浪人生の幸司は、豪雨の中で予備校へ向かいながら、自身の数学の成績に伸び悩む現状と、難関医学部合格への焦りに苛まれていた。ある夜、帰宅途中の路地裏で青白い光の裂け目を見つけ、不意にその中へ吸い込まれる。目覚めた場所は、見知らぬ異世界の施設。緑色の肌を持つ人々に囲まれ、彼らの言語が通じない中、困惑するばかりだった。
数日後、翻訳機を渡された幸司は、彼らが並行宇宙を航行する巨大な移民船団の住人であることを知る。そんな中、銀髪の青年ハワが身元保証人として名乗り出てくれた。ハワに連れられた幸司は、船内の都市のような風景に驚きつつ、異世界での生活を始めることとなる。
ハワの親切に感謝しつつも、幸司の心には「なぜここに来たのか」「どうやって帰るのか」という不安が渦巻く。新たな環境に戸惑いながらも、彼は一歩ずつ前に進もうと決意する。