とある西の果てにある島国にて。美しい響きに導かれたお堅い役人の青年が恋をしました。
けれども相手は旅の少女で、すぐに目の前から消えてしまうことが分かっています。
青年は心を隠して彼女を見送り、少女はまた会いに来るという約束を残して去っていきました。
一度目の別れの後に、ひとつめの約束は果たされ、二人は再会し、改めて約束を結びます。ところが――
彼女は二年も現れず、さらに半年。
もう二度と会うことはない。忘れなければ。
気持ちにそっと蓋をした青年の元へ、少女が現れ、その蓋をこじ開けてしまいます。
こうなったら、ねぇ?
「悪いことを考えるもんだな」
「殿下ほどではございません」
※転生なしの、異世界ファンタジーです。
※アルファポリス、カクヨムにて恋愛要素を強化した改編版を掲載しています。
そちらとは別物として楽しんでいただけると幸いです。