ボクは王子様! 次の国王様だぞ! すごいんだぞ!
しかも、うちの国は今、絶賛発展中! ボクがつぐころにはすんごい国になってるはず!
後世、ボクの名前が栄光に包まれるのはまちがいなし。
中興の名君、オットー3世とかってね!
なのに、婚約者の女は、いつも冷たい目でボクを見るんだ。
地味で華やぎってものがない上に、おっぱいだって小さくて、いいとこがないくせに!
いつのまにか分厚いメガネまでかけるようになって、まったく見栄えが悪すぎる!
ボクは、つまらない婚約者を華麗に婚約破棄して、
真実の愛のお相手である可憐でけなげなテレーズと婚約するんだ!
かっこよく婚約破棄するために、鏡の前で何度もキメポーズの練習だってしたのさ!
やってやるぜ!
……の、はずだったのに、次々とダメ出しされて、ボクは大ピンチ。
テレーズは娼館に放り込まれ、ボクは北の鉱山で事故死ってことになるらしい。
どうしてこんなことに!?
ボクは真実の愛をつらぬこうとしただけだったのに……。