むかしむかし、竜の王様が納めるとても平和な国がありました。
しかし、竜王様は大臣と結託した新しい王妃によって殺されてしまいました。
王妃と大臣は自分たちの間に生まれた赤子を第二王子ということにして、国を乗っ取ろうとしていたのです。
あとは王子世話役である汚らわしいハーフエルフに王殺しの罪を着せて、第一王子ともども亡き者にしてしまえばいい。
まさに完璧な計画だと、彼らは自画自賛しました。
しかし、大臣と王妃は知りませんでした。
世話役のハーフエルフは、べらぼうに強かったのです。
王国の騎士相手にたくさんの無双をしたハーフエルフは、王子を連れて王宮から脱出しました。
しかし、べらぼうに強かったハーフエルフは、あたまのほうは大変残念でした。
何をやっても不器用で、どんな仕事もうまくいかなかったのです。
三年後、すっかり落ちぶれた生活を送っていたハーフエルフは最後の手段として「冒険者ギルド」の門をたたきました。
それがまさか、自分の天職であったとも知らずに──。
これは頑張り屋のハーフエルフが可愛い第一王子を甘やかしつつも、なんだかんだで国を取り戻しちゃう物語。