2013年02月20日 (水) 07:24
自作『ハーレム100』のネタバレを含みます。ご了承ください。
活動報告『
実録 人気がありません』の後、少し前向きとなったワタシ。十二章を執筆していたある日……
「百一代目作者様。ハーレム100ってヒロインが多すぎですよね?」
なぜか今頃になって『女勇者セレス』を読んでいた学者風家人が、ポロッと核心を突いてくる。
「メインキャラクターは五人ぐらいの方が、キャラの掘り下げがきちんとでき、それぞれを魅力的に描きやすいと思います」
いや、まあ、そうなんだけど……
「萌えはしたもののどんなキャラか描かれないまま『はい! 次!』な流れがたまにありますよね」
それもそうなんだけど、その後の話で掘り下げてる子もいるし、
「狼王、英雄世界の先生、神聖騎士…… スライムやゾンビもですか?」
う!
いや、でも、ほら!
スライムはちゃんとベタ~としてるし、ゾンビは腐ってるし!
「ヒロインの内の一人なのでしょう? ならば、それぞれをそれぞれらしく魅力的に描かなければ『ヒロイン100人』が詐欺となりかねないのでは?」
ぐ!
「それに、130話もいってしまうと、もはや最初の頃のキャラなど思い出すのも困難。再登場しても、『こんな人、前に出たっけ?』になってしまいます」
ぐは!
「シロさんは別ですが」
そこ? あいかわらずそこなの!?
いや、でも、この作品はヒロインが100人もいるって事に意味があるわけで……
『ハーレム10』とか『ハーレム5』じゃ、もはや別物に……
「なので、いっそのこと」
メガネのフレームをもちあげながら家人が言う。
「ヒロインが100人も居る事に意味を持たせてはいかがかと」
む?
「ソーシャルゲームのヒット要因を頂戴してしまうのです」
むぅ? 具体的には?
「各ヒロインのカードを作成し、その画像を添付します」
むむ?
「読者様には更新の度に『今日はどんな子がアップされてるかなーっ』と楽しんでいただき、作者様には漠然とイメージなさっていたヒロインを『そうか、この子はイラストになるとこうなのかっ!』という良い認識を、逆に絵師様からいただく訳です」
おおお!
「読者様が喜んでくださればなによりですし、作者様もモチベーションがあがるでしょう?」
あがるあがる!
「うまくいけば、コンプガチャにしてボロ儲けできるかもしれません!」
できねーよ! なに握りこぶしで力説してんだよ!
それはともかく……
わたしのキャラにイラストが……
100人で100イラスト……
いいなあ……それ……
「ただ問題が幾つかございまして、」
メガネのフレームを押し上げながら、学者風家人が言う。
「ちょっと小耳にはさんだのですが、プロの絵師様にキャラの創作をお願いするとキャラ毎に5000円ぐらいかかるとか」
へ?
じゃ、100人だと……えっと、ご、ご、50万ぐらい……?
「御友人にイラストをお願いするとしても、小説の長さがネックとなります。最初から全部を読んでいただくと1700分長になりますし……」
……ですね。
「更に言えば、一人の方に100人も描いていただくのはかなりの重労働。章ごとに違う方にお願いするという方法もございますが、その場合、絵師様が12人も必要となります」
それは厳しい……
とりあえず、家人を上目づかいに見つめ、媚び媚びのポーズをとってみた。
・・・ぇへ☆
学者風家人が、不機嫌そうに眉をひそめ、ワタシから目をそむける。
「嫌ですよ、私は。百人も描くの」
描きたい子だけでいいから! 描きたい時に描きたい分量だけでいいから!
「タブレットもスキャナもお絵かきツールもありませんよ?」
買ったげる、買ったげる!
「ちゃんとしたイラストを描くとなると時間もかかります」
落書きでいいから!
ガチャリと、扉が開く。
「やあ、百一代目作者くん、学者風家人。どうかしたのかい?」
颯爽と、貴族風家人が満を持して初登場。
事情を話すと、貴族風家人がハハハと笑い、髪を掻き上げる。
「おもしろそうな話じゃないか。落書きでよければ、私も参加しよう」
おお! ありがとう、貴族風家人!
貴族風家人がふぁさ~と髪を揺らし、手にしていた機械をテーブルに置く。
「それに、私にはこういう物もある」
そ、それは……! 携帯電話???
「スキャナーアプリ搭載のスマホだよ」
おおー! 貴族風家人様、すてきー!
「私は嫌ですよ……嫌ですったらーーーぎゃー!」
「ハハハハハハ。まあまあそういわずに」
てなわけで、学者風家人と貴族風家人が、ボールペンで絵を書いてくれました!
下書きなしでよく描けるな~と感心しつつ見ていると、貴族風家人がスマホ様で画像を取り込み、学者風家人がちゃちゃっと加工もしてくれました!
ありがとう、二人の家人!
ついでに言うと、貴族風家人様のご活躍のおかげで、タブレットもスキャナもお絵かきツールも買わずにすんじゃった。ラッキー♪
「作者様……イラストではなく落書きですよ? 本当によろしいんですか?」
ぜんぜん、おっけぇ~!
ジャン君が『勇者の書』に描いた落書きって事にすれば、ノープロブレム!
「歴代勇者が閲覧する書に落書きとは……いやはや困ったものだね、ジャン君も」
貴族風家人が、ハハハと朗らかに笑う。
そんなわけで、十二章からイラスト付きの話がたまにアップされます。さかのぼって、イラストのついた方も居ます。イラストがある話には目次に(※)をつけてあります。
今後もさかのぼって、ジャン君の落書きがつくことがあります。前のヒロイン達のイラストも、お楽しみいただければ幸いです。
サイズ的に見られない画像などございますでしょうか? 何かお気づきの点がございましたら、メッセージやコメントでお知らせいただけると嬉しいです。できる限り、善処いたします。
内気な義妹と仲良くなりたくて一緒にお絵かきをしてるうちに、ジャン君は絵が上手になったのではないかと。
だからといって『勇者の書』に落書きしていいわけではないのですがw
林来栖様 イラストを気に入っていただけましたか! ありがとうございます! マリーちゃんは、ニーナの回のグッバイ姿と合わせてお楽しみください^^
残り二世界。本編もイラストもお楽しみいただければ嬉しいです。