オーバーロード15&16巻作者雑感
2022年07月29日 (金) 07:39
 作者雑感始まるよー。

 というかいつものようにネタバレ含んでの雑感なので、ここを見るのは本を読み終わった後にしてね。
 と言っても、なぜか毎回のように本を読む前に見ているという書き込みをする人がいるのはどうしてなんだろう? 読まないで書き込みだけしているのだろうか?
 まぁ、いいか。


 しかし、コロナですよ。コロナ。二年とか前にこんなになるなんて想像もつきませんでしたよね。
 小説の中で病気をまき散らす系の話を書くと不謹慎だ、って言われる時代になっちゃうんですかね……。あとはウクライナの問題とか……。
 個人的には気にしないし、大丈夫だと思いたいけど、かかわる人が多くなればなるほど影響が出てくるからなぁ。


 さてさて。
 もう今更、行を開ける必要もないでしょう。ということで雑感に戻ります。
 オーバーロードもあと二巻で終わりですね。ここまで付き合ってくださってありがとうございました。
 もしかすると最後の作者雑感は「今までありがとう」だけど終わらせる可能性があるので、真剣に書くのは今回が最後かもしれません。というのも残りも続き物になると思いますので、出来ればほとんど同時に出したいんですよね。


 今回は初心(1巻)に戻って第三勢力としてのエントリーをやってみました。要するに今回のアインズたちは完全な部外者という立ち位置で物語をやってみました。両方の勢力からすれば「なんだ、こいつ?」「どうして参加してくる?」みたい感じです。でもまぁ、アインズたちからすればそれなりに理由(最低なものだけど)があるみたいな感じですね。
 丸山は──かなり昔になるけど──よくラノベを読んでいたんですが、大概、「苦しんでいる可哀そうなヒロインを助けるために事件に飛び込む」「事件の方から寄ってくる」みたいな展開が多く感じられました。いや、今は違うかもしれませんし、そういった作品が全てではないでしょう。それに何年も前の記憶で止まっているので、今のラノベを読まれる方からすると全然的外れなことを言っているかもしれないです。
 その辺に違和感を抱かれた方は、丸山が同じような作品ばっかり読んでいたんだな、と思ってください。
 まぁ、兎に角、そんなわけで、オーバーロードでは出来るだけそうしないようにしてみました。
 なるだけそうしようと思ったのは

 自分たちの利益を追求する。
 男女関係なく殺す。ヒロインとかウザイ。
 自分たちが事件を起こす側、物語を作っていく側に回る。
 
 辺りでしょうか。
 その辺が今まで上手くいっていたなら良かったです。
 上手くいってない、面白くない、ならそれはそれで構わないんです。
 だって、この世界にあなたを本当に楽しませる作品はあなたが作らない限りは存在しないんですから。だから丸山はオーバーロードを書き始めたわけです。
 オーバーロードが面白いと思っている人だって、ここをこうしてほしい、ここが気に入らない、というところはあるはずでしょ? ないはずが絶対にないと信じてます。というよりも丸山と完全に嗜好が一緒とか……

 かなり……やばいですよ?
 重度の高二病患者です。

 まぁ、面白いと思っている人も、つまらないと思っている人も、オーバーロードを踏み台にして、今度はあなたが製作者側に回って欲しいというのが丸山の思いです。別に小説を書け、と言っているわけではないです。イラストかもしれない、音楽かもしれない、何かを──あなただけの何かをクリエイトして欲しいんですよね。だって、あなたが作り上げたものは、この世にあなたにしか作れない何かなわけですから!
 そうしてくださったら、残り二巻を書いた丸山は今度は皆さんの作品を消費する側に回っていきたいと思っております。
 オーバーロードの二次創作とか読んでみたいけど、引っ張られるのが嫌でまだ読んでないんですよ……。はやく読んでみたいね。
 あ、丸山はアンチもヘイトもオールokですよ!

 ……しかし、ここまで話の流れは何一つ変わらずに来ました。それが少し残念です。殺したいキャラが死ななかったとかはありましたが、丸山の手を離れて物語は動きませんでした。
 よく作家さんが自分の手を離れて動く、的なことを書かれるじゃないですか。そんな経験をしたかったですが……何一つ、プロットの流れは変わらなかったなぁ……。10年ぐらい前に立てた物語の展開がそのままというのは悲しい面(成長していない……)もありますが、誇らしい面もないわけではありませんが……。




 それでは各キャラ紹介を。

アインズ:
 結局のところ、ナザリックやNPCがいると成長できないで、円に囚われてそこをぐるぐるして終わる人というのを再アピール。
 ……今までしていた気もするけど……してない? まぁ、それらがなくなって初めて成長できるようになるんです。つまり主人公になるんじゃないかな。でも、ありえないわけだ。
 哀れな人だな、って皆さんに憐れんでもらえたら嬉しいな。
 今回の物語は都合がよすぎる情報収集ではなく、そんな脇役が出来る限り努力して情報を集めて行動していくとこんな感じなんだろうな、という丸山の趣味が多分に含まれていた気がする。なので、丸山は非常に面白かった。ぶっちゃけ、16巻よりも15巻の方が好き。
 TRPG系の匂いがするかな? そんなことはないかな?
 
 

絶死絶命:
 どっかでもう一人のオーバーロード的な発言をしていた気がしますが、まぁ、そういう切り札を当初より使う予定だったというわけです。絶死絶命という二つ名もそんなわけで付けていました。
 ……流石にもう一人のエクリプスとは言えんかった……。でも、切り札があれだとなんとなくでも想像していた人はちょっと頭がおかしい。その異様な洞察力はもっと別のところでいかしてください。

 でも、あれサイコメトリーじゃねぇ! どちらかと言えばポゼッションとの合わせ技、みたいな……。まぁ、上手い能力の表記が浮かばなかったので、サイコメトリーとしました。許してください。
 あれは個人的にはエインヘリアル二体召喚が最強だと思うんだけど、それぞれ違う切り札にしておく方が対応幅が広いというのも分からないでもない。それに一撃必殺は捨てることが出来ないよね。
 あの能力は使い勝手はかなり良いですが、相手の能力を調べるのには向いていません。能力を起動した段階で、相手が持っている切り札をゲームマスターから教わるようなもので、それ以外の能力や細かい部分は教えてくれないからです。

 悲しい人生の物語があって、その上で覚悟がある。よくいるパターンですね。でもオーバーロードには関係がないので、その辺はざっくり切り落とし。うざいしね。
 個人的にこいつが助かったからって「丸山も女に優しい」とか思われるのは非常に……嫌だな。本当に主人公なら女ばっかり助けないで、男を助けようぜ! というのが丸山の個人的思考。剥げてデブなおっさんを必死になって助ける男主人公は本当にすごい人だ、と思ったりもする。でも、そんな作品はちょっと嫌、という我儘な読者であった。まぁ、アインズは主人公なのか、と言われると少し首を傾げてしまう。悟さんは主人公だけど、アインズはなぁ……。
 彼女がどうなるかは予定があったんだけど、時間軸が結構飛んでしまうために削除。 
 まぁ……ちょこっとだけひどいよ。ちょこっとだけ。
 そう。
 ほんのちょこっと。



エルフ王:
 薄い敵役。彼がどんな生き方をしてきたのか、親父はどんな奴なのか、などを語るべきなんだろうけど、それはどうでもよいのだ。
 やり方とかがバカだけど、自分という成功事例を知っていると、彼の思考も理解できなくない? そんなことない?
 親が医者で子供も医者っていう場合あるじゃないですか。ああいった子供って、結構親からの圧力とか、人生プランとか口出しされるんですかね? 誰か実体験を教えてください。



アウラ&マーレ:
 最初はマーレ視点で戦闘をちょろっと書いていたけど「これサイコパスと言うか、まったく理解できない。あまりにも戦闘が平坦だ」となったので、視点が変わりました。それでも異様さが滲んでいたら嬉しいなぁ。
 それにしても……so-binさんに任せたら、あそこまでえちえちアーマーになるとはこの丸山、思ってもみなかった。たしかにこんな感じ、とは言ったけど……前たれの下の部分ってどんなになっているんだろう。ユグドラシルは時には15禁も駄目だよ、と言われる設定だったけど、流石に鎧の一つ一つまでチェック入ってない、ということになるなのか? それともあれは運営的にokなのか? それは作者も分からない!

 アウラは普通に可愛い。ナザリックではかなりまともな部類。……真面すぎて書くことがないなぁ。



ダークエルフ村のみんな:
 語りたいところは色々とあるけど、あんまり語れないな。まぁ、準備みたいなものかな? 多分、全部は残りの巻では語られないけど、一部は語られると思うよ。とりあえず、アインズさんがぐるぐるしているな、程度に感じてくれれば成功かな。



くまさん:
 怯えながらナザリックで元気に暮らしています。



 こんなところかな?
 そんなわけで15巻、16巻の作者雑感でした。
 次の巻はまたまた結構お待たせしてしまうと思いますので、のんびり待ってくれたら嬉しいです。
 では、では。
コメント全97件
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2022年08月06日 21:44
嫌々書いてるのが凄い伝わってきていいね
ティモシー
2022年08月04日 23:42
15・16巻 2周読み込み終わりました。15巻のアインズ様、「まだ頭の中でこんなにぐるぐる考えが回りまくってスパッと行動できないの?」というじれったさ満載でしたが、意図的にそう描かれていたわけですね。

15巻では男エルフをいろいろ面倒な工作してまで生きて返したことを含め「サラリーマン鈴木悟」だったのが、16巻後半、女エルフをサクッと殺すあたりはから「ナザリックの支配者アインズ=ウール=ゴウン」に切り替わった、ということですよね?異世界モノでは何かと優遇されている女エルフに対するこの扱い、15巻最初の元奴隷エルフとの扱いの差もあって、「えっ!?」って一瞬腹にズキッとくるような感覚でしたが、これが先生の描きたかった女を特別扱いしない世界、なんでしょうね。

TRPGやったことないのですが、エルフの都市やダークエルフの村での事前情報なしの手探り感は、実際に「ユグドラシル」があってプレイしたらこんな感覚なんだよ!ってことでしょうか?わからないことを自分で確かめていく感じ、確かに都合よく物語が進む他の作品とは違いますね。違和感を感じるのは自分もご都合主義に汚染されている、ということなんでしょうね。

あと、他の人の感想や先生の雑感にも全く出てこないのですが、15巻最後の「深淵なる躯」、16巻で一切出てこないんですけど一体何なんでしょう?いわゆるラスボス?まさかこのあと何も無く終わるはずないですよね?

伏線回収どころかますます謎が深まり、あと2巻で全部明らかになるの?と不安ですが(まあ謎はたくさん残るでしょうけど)、次巻も楽しみに待ってます!
ぽん吉
2022年08月04日 21:41
面白かったです。
最後まで期待してます!
ちぃこい
2022年08月04日 06:52
時間が過ぎるの早すぎてヤバいです。初めて先生の作品に出会ってから10年ですか。エタることもなく、出版が打ち切られることもなく、最後まで作品が出ることに深い何かを感じます(語彙不足)。俺が好きになった先生は凄いんだ。原作しらん友達がアニメ見てる横で、俺はなろうでリアタイしてたし。なんて訳分からんマウント取ったり。ただただ感謝です。作品を創り出してくれて感謝しかありません。
紺瑠璃
2022年08月04日 00:01
2冊出したのは1冊で綺麗にまとめられなかったから薄めて15巻出したとしか読めない。これだけ期間あけてこれ1冊に1年掛けたんか?と思ったら悲しくなった、16巻を厚めにして出せば良かった。
もう先生は創作側に以前ほど熱量がわかないみたいですので、せめて締め方は綺麗に、出来れば早く出版できることを期待せず待ってます。
丸山くがね先生お疲れ様です。
15,16巻も非常に楽しく読ましていただきました。

エルフ村はいろいろ言われてますが、ウルルン滞在記的なあれですね。個人的には島編かなと思いました。
エルフロリコンが多いなぁと笑いましたが、オマエラがエルフに求める物も同じ物やぞとを言われている気がしてブルブルしました。
我らが主人公は別のアバターを被って素の悟が出てる状態です。
周囲から優秀と言われるあたり、可哀想な人ではあるが、なんだかんで優秀なんだとおもいます。
故にアインズやナザリックは文字通り枷で檻であるとつくづく思いました。
自らの羽を喰らい飼いならされる。

マーレVS絶死ちゃん
絶死ちゃんですが後半主人公してました。立ち位置としては間違ってない。
視点が絶死ちゃんのためかマーレの不気味度が増しているいます。
それに絶死ちゃん思ったよりちょっとレベルが低い(90あると思った)、そして思った以上に頭が回る。
子供云々言っていたからもっとアレな子かと思ったが、まさか「さすアイ」解説をしてくれるとは思わんかった。
レベル・装備共に高い故にもっとヒメチャンプレイになってる子かと思ったが戦術戦略を読む当たりしっかりしていてよかった。
なによりシャルティアVSアインズ戦を守護者みんなに見せたおかげでマーレの勝敗というか生死が別れたところが素晴らしいです。
マーレも絶死ちゃんも種類は違えど親からDVを受けた者同士だと思うと何が感慨深いです。
絶死ちゃんの処遇が気になる。

次回にデミえもんが上記の内容を色々察して「さすアイ」してくれるでしょう。
最後にくまさんが元気?に生きているのでヨシです。
でもくまさんうさぎに負けるのか、うーん、生きろ!

オバロSSも是非とも読んでみてください。そして番外編をプリーズです。

ラスト2巻ということが大変残念ですが最後まで走り抜けてください。
最近まじで好きな作家様の不幸が相次いでますので心身ともにお気を付けください。
4期も5期も映画もラスト2巻も楽しみにしています。
リィン
2022年08月03日 13:25
絶死絶命が思ったより強くないのがちょっとガッカリだったかな‥
とはいえあと2巻なんで最後までついていきたいです。でもバッドエンドでもいいからどんでん返しを期待してる自分もいて
カナエ
2022年08月03日 01:22
確かに・・・
そう確かに世間のほとんどの人が言うように絶死関連以外のシーンは興味がなかったって人が多数派なのでしょう。
かくいう私も実はそうで、そこが一番見たくて、まだかまだかと待たされる中でのエルフ村だったのが苦痛の要因ではありました。
そうでなければまた世間の評価も違ったのかどうなのか、確かにエルフ村を楽しめはしなかった私も時間を空けて読ませてもらいたいと思います。
ただエルフ村において、アインズが友達になれたギルメンを想う部分には心底ぐっときました。
生い立ちも地位も関係ない。
ひとつのゲームを近い価値観で一緒に楽しめる、ただそれだけで友達になれたギルメンへの想いが強くなるのは、特にある程度のMMO経験者なんかには分かる話なんじゃないかな?
リアル世界に大した思い入れもなければ、それは余計だとおもう。
でもやっぱり所詮はゲーム。
こんな風に異世界転生する事が決定されてたならまだしも、最後の最後は現実世界で居場所を作りに行こうとする事こそが人としての勇気であり知恵だと思うから、やっぱアインズは哀れでバカで現実逃避体質な未熟精神の持ち主なのですね。
どれだけアインズが仲間たちを想っても、それを知った元ギルメン達は嬉しいと思う傍らで悟さんの気持ちをそんな風に感じ、かつ迷惑にも思うのでしょう。
そこんところに気づかずに、ただ良かった日々と、その残滓を残すNPCだけを心の拠り所にしてるアインズさん。
「悪者がもつバックストーリー」としても、なんとなく完璧ですね。
なんてことを思ったので長々と書いちゃいました。
何はともあれ執筆お疲れ様でした&ありがとうございます&引き続き頑張ってください!
あんまり長いことは待ちたくないですが、ラスト2巻も見せていただけること、楽しみにしています。
面白かったです。特に高レベル帯のキャラクター同士の戦闘がです。先生は駆け引きを基軸にした戦闘を描いていただけるので本当にイイ!!

もっと、高レベル帯の戦闘を書いてください。
15巻、16巻、読ませていただきました。
ありがとうございます。

いつものデミウルゴスとアルベドの〆がないので、最後まで区切らず続き物として走るのかなと、最後に向けての寂しさと、ワクワク感とを感じています。

くまさんがナザリックで無事?に過ごせているようで安心しました(笑)
ハムスケが先輩風ふかしてるのを想像しつつ、いややっぱりハムスケにはデスナイトが相棒じゃないとなとか考えたりして。

作品が完結しても、完全に消費者側にはいかず、ぜひweb版の続きをお願いします!
ランゴバルトのぼやきも胃痛も好きですし、アインズ様がどんどん台風の目になっていく展開からも目が離せません。