レオナルド=フォンターナ少尉は、士官学校を主席卒業した秀才であった。しかし、配属されて1週間でいきなり営倉に入る羽目になってしまう。
馬鹿上司の作戦に諫言を行い、不興を買ったからだ。正義感が強く真面目な彼は、小細工抜きにこう言ってのけた。
「スダール少将、気は確かですか?」
激怒し、銃を抜く少将。止める幕僚達。巻き起こる喧騒のなか、平然とする彼を見てい並ぶ将兵は思う。
((((こいつ、ただ者じゃない))))
営倉送りは、軍人として誉められるものではないだろう。だが、勇気ある反逆者としてレオナルド=フォンターナの名前は、ロマルク帝国内で広がっていく。それのみならず、大陸各国の国民達にもレオナルドの名が知られるようになった。
この一件が彼を歴史の大舞台に上げる原因となり、ロマルク帝国や周辺諸国に大きな影響を与える事になる。だが、この時は誰も気付いていなかった。レオナルド=フォンターナの力を。