過激発言、侮蔑、外道……、それらを好む輩によって半ば支配されたクソゲーがあった。
それは、VRゲームが大幅な成長を遂げた今では、限りなく現実風に再現されたそれで、非人道的な戦いを繰り広げ、下卑た高笑いがフィールド中から響き渡る毎日。
そんな世界で、ゲームそのものの評価を下げる彼等を、(自称)清楚な心で仕留める日々を送るプレイヤー、「旅狼」がいた。
そんな見た目善人な彼も、重度のクソゲーマニア。掲示板で褒め称えられる純粋なゲーマー、そんな化けの皮を被る彼は、過去のクソゲーで磨かれた技量をそこで磨いており、表面上悪徳を嫌いながらも、日々の強者との戦闘から快感を得ていた。
だが、『ある日』の出来事を切欠に、そんな日常は引き裂かれ、楽しみという名の「生きる意味の一つ」を奪われた事で、悲しみ故に怒りを覚えてしまう。
それを哀れに思った彼の身内は、旅狼に一つの救いの手?を差し伸べる。
良くか悪くか、その手は旅狼の心に火を灯し、やがて社会を大きく揺らす事となる…かも?