早川明日音(はやかわ あかね)と、高瀬春彦(たかせ はるひこ)は幼馴染である。
なぜそうなのか、と言われれば、家が斜め向いに立っていて、なんとなく、幼少の頃から一緒にいたから。
それ以外の理由はなく、そして、二人が幼馴染という理由で一緒にいることも、それほど深い意味もなく。
そうしてずっと、二人は一緒だった。
しかし、高校入学を気に、二人はある決心をする。
お互いの気持ちを、はっきりさせよう。
『幼馴染だから』という理由からの、脱却。
幼馴染として、好感を持っているだけなのか。それとも、それは恋と呼べるものなのかどうか。
高瀬春彦は、早川明日音が好きなのか。
早川明日音は、高瀬春彦が好きなのか。
恋って、なんだよ。
好きって、なんだろう。
『幼馴染』として、あまりに進みすぎてしまった二人が、自らの曖昧な気持ちに整理を付けようとする。
恋人になるには、理由が必要?それとも不必要?
これは愛情?それとも友情?それとも、全く別の何か?
二人が恋人になるための、「理由」
それを探す学園劇が、幕を開ける。