王立学園の魔術教師として教鞭を執っていた炎熱の魔術師シャノンは、ある日、生徒に手を出した疑いがかけられている後輩教師リリィの追放に賛成した。
しかしそれは、その被害者生徒であるマティオス王子の策略で、無実の罪によって追放されてしまったリリィは、その後、悲惨な運命をたどることになってしまう。
「おい、リリィ。これは一体どういうことなんだ」
「ふふふっ。どういうことって、見れば分かるでしょう? 私、この学園に関する全てを破壊しようと思っているんです」
そしてシャノンは、復讐の念に取り憑かれたリリィによって殺されてしまう。
しかし――
「リリィ!!」
シャノンが叫び声を上げながら上半身を起こすと、そこは王立学園にある自分の研究室だった。
何が起きたのか理解できず床の上で呆然としていると、研究室の扉が開かれ、シャノンの前にリリィが現れた。
信じられないことだが、時間が巻き戻っており、しかも今日がその全ての元凶の日だった。
これは何の因果か、やり直しの機会を得たシャノンが、「今度は絶対に選択を間違えない」と、後輩のリリィが追放されないように奮闘する物語。
※第9回ネット小説大賞一次選考通過作品
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